A feeling of a partner
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いつの間にか起き上がっていた天国は、ただ静かな…感情を見せない瞳で沢松を見つめた。
「天国…。」
「お前の方こそ限界だったんだろ?
今までつきまとって…悪かったな。」
「…っ!」
天国の言葉は、沢松の存在を突き放した。
いや、もともと近付いてすらいなかった。
むしろ天国の決別を望んでいたのではなかったか?
沢松は混乱する。
オレは動揺してる。
天国に本音を聞かれたから?
違う、こいつは最初から知っていたはずだ。
なら、何故。
口をつぐみ、保健室から出ていく天国に 搾り出すように聞いた。
ずっと聞きたかったことを。
「天国…なんでオレと一緒にいた…?なんでオレの傍に来た?」
答えは意外にもすぐに帰ってきた。
「好きだから、お前のこと。」
扉の閉まる音がした。
######
「…あの、沢松くん…。」
天国のいなくなった保健室で、子津は動くことも出来ずにいた。
天国は、つきまとっていた、と言った。
沢松はトモダチじゃない、と言った。
その事実は、天国と沢松の関係を疑ったこともなかった子津には混乱を起こすに十分だった。
そして天国の去った後、沢松は立ち尽していた。
目に余るほどに呆然とした表情で。
沢松が来てからほどなく保健教師もいなくなっていたこの場所で、痛い程に虚ろな空気が流れた。
突然。
「…分かんねーよ…!何考えてんだよ!!なんでだよ??!!」
「沢松くん!?」
子津の気遣う声も耳に入らず、沢松は声を荒げた。
ガッ
腹立ち紛れに殴った柱に血が付く。
「…っ!」
なんでお前は傍にいた?
なんでオレはお前の傍にいた?
お前がオレのところに来たから、それが優越感があったからか?
…違うんじゃねーのか…?
何でこんなに敗北感を感じるんだよ?
あいつがまた勝手に自分で離れていくからか?
…違う…。
何でオレは腹を立ててるんだ…?
あいつにか?
違う…!!
「沢松くん…。」
「…悪い、子津…一人にしてくれねー?」
「…。」
自分が何を出来るわけでもない、と判断したのか。
子津はそこから去っていった。
一人になり、沢松はただ思った。
「…違うよな…。」
悔しいから、悔しさばかりが最初にあったから…そうだと思いこんだ。
だけど。
「……違う…。」
やっと分かった。
「オレだって、居たかったんだよ。お前と。」
######
それから数日。不自然なほどに天国は沢松を無視した。
文字通り視線を向けることもなく。
それを周りが気付かないはずもなかった。
そして、天国に直接行動を起こしたのは…片貝だった。
「お前、それでいいのかよ?!」
「いんだよ、アイツがオレを嫌いだから。」
「そんな…そんなわけないだろうが?!」
「何でお前が分かるんだよ。」
そんな会話に子津が気付いたのは、保健室での出来事から1週間後のことだった。
「オレは分かんないんだよ。
ダチってどーやってつくる?違うってどーゆーことだよ?
正しいダチってなんだよ?何が間違ってたんだよ?
オレ…誰かが一緒にいてくれるのが…あいつが一緒にいてくれるのが嬉しかったのに…。」
「キライなら…一緒にいたらダメじゃねえの…?」
子津がその場にたどり着いたとき。
天国は、泣いていた。
ただ涙だけをこぼして。
To be continued…
お久しぶりの続編です!
といっても感情の動きばかりで、話の進展は一瞬に等しいんですが…。
なんでしょーねこのエセシリアス;
改めてイメージを文章におこす難しさを感じてます…。
ではラストに向けてもうひとふんばり!!
本当にお待たせばかりで申し訳ないです…!!
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